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変動金利vs固定金利:住宅ローンはどちらが得か比較

住宅ローン 住宅ローン基礎知識

変動金利vs固定金利:住宅ローンはどちらが得か比較

住宅ローンを検討する際、「変動金利と固定金利のどちらが得なのか」という疑問は、多くの方が抱えるとされています。結論として、毎月の返済コストを低く抑えたい方には変動金利、将来の返済額を確定させて安心して家計管理をしたい方には固定金利が向いているとされており、一概にどちらが有利とは言い切れません。本記事では両者の仕組みの違い・現在の金利水準・参考シミュレーション・選び方のポイントまでを詳しく解説します。約15分で読めます。

目次

  1. 変動・固定金利の基本知識
  2. 現在の金利水準と推移
  3. 試算で比較してみる
  4. 賢い選び方のポイント
  5. 知っておくべきリスク
  6. まとめ

変動・固定金利の基本知識

変動金利の仕組み

変動金利とは、借り入れ期間中に市場金利の動向に連動して適用金利が変動するタイプの住宅ローンです。日本の多くの金融機関では、短期プライムレート(短プラ)を基準として金利が設定されているとされています。短期プライムレートは日本銀行の金融政策と密接に連動しており、政策金利が引き上げられると変動金利も上昇する可能性があるとされています。

変動金利には一般的に「5年ルール」と「125%ルール」と呼ばれる保護措置が設けられているとされています。5年ルールとは、金利が変動しても毎月の返済額は5年間変わらないというものです。125%ルールとは、5年経過後に返済額が見直される際、従前の返済額の1.25倍を超えた額にはならないというものです。ただし、これらのルールは金融機関によって適用条件が異なる場合があるとされており、契約前に必ず確認することが重要とされています。

変動金利は固定金利と比較して当初の金利水準が低く設定される傾向があるとされており、同じ借入金額・返済期間であれば月々の返済負担が軽くなるケースが多いとされています。この点が多くの借り手に選ばれる主な理由の一つとされています。

固定金利の仕組み

固定金利とは、借り入れ時に決めた金利が一定期間、または完済まで変わらないタイプの住宅ローンです。固定される期間によって「全期間固定型」と「固定期間選択型」の2種類に分かれているとされています。全期間固定型の代表例として広く知られているのが、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する「フラット35」です(出典:住宅金融支援機構)。

固定期間選択型は、3年・5年・10年などの固定期間が終了した後に、再度固定または変動金利へと切り替えることが可能とされています。固定金利は変動金利と比べて金利水準がやや高めに設定される傾向があるとされていますが、将来にわたって返済額が変動しないため家計管理がしやすいという利点があるとされています。収入が安定しており長期の返済計画を明確にしたい方にとっては、大きな安心材料になるとされています。

2つの主な違い

変動金利と固定金利の主な違いを以下の表にまとめました。

項目 変動金利 固定金利
金利水準(目安) 低め(0.3〜1.0%程度) 高め(1.5〜2.5%程度)
返済額の変動 金利上昇時に増加の可能性あり 固定期間中は変わらない
主なリスク 金利上昇リスクあり 低金利の恩恵を受けにくい
向いている方 収入が安定・繰上返済ができる 返済額を確定させたい
代表的な商品例 各銀行の変動型ローン フラット35など

※上記の金利水準はあくまで目安です。実際の金利は各金融機関・借り入れ時期によって異なります。最新の金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

現在の金利水準と推移

2024〜2025年の金利動向

2024年以降、日本の住宅ローン金利は注目すべき局面を迎えているとされています。日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策の解除を決定し、同年7月には追加の利上げを実施しました(出典:日本銀行)。さらに2025年1月にも再度の利上げが行われ、政策金利は0.5%程度まで引き上げられたとされています。長らく続いた超低金利時代からの転換点として、住宅購入を検討する方には特に注意が必要とされています。

この動きに連動して、変動金利型住宅ローンの基準金利も複数の金融機関で引き上げられる動きが見られているとされています。一方で、実際に借り手が適用を受ける「適用金利」は、各金融機関が独自に設ける引き下げ幅(優遇幅)によって左右されるため、基準金利の上昇がただちに大きな負担増につながるとは限らないとされています。ただし、今後の追加利上げの可能性も踏まえ、変動金利を選ぶ際はより慎重な判断が求められるとされています。

長期固定金利の指標となる10年国債利回りも上昇傾向が続いているとされており、フラット35などの固定金利も2020年代前半と比べて水準が切り上がっているとされています(出典:住宅金融支援機構 フラット35サイト)。固定・変動ともに金利が上昇傾向にある現在、いずれを選んでも過去のような超低金利の恩恵は享受しにくくなっているとされています。

過去20年の推移

過去約20年の推移を振り返ると、日本の住宅ローン変動金利は2000年代後半から2020年代前半にかけて歴史的な低水準が続いていたとされています。この期間に変動金利を選択した多くの借り手は、固定金利を選んだ場合と比べて総返済額を抑えられたケースが多かったとされています。この事実が「変動の方が得」という認識を広め、変動金利の選択比率が高くなった背景の一つとされています。

しかし、2024年以降は金融政策の転換を背景に変動金利の上昇局面に入っているとされています。過去の実績だけを根拠に変動金利が有利と判断することには慎重さが求められるとされており、今後の金利動向と自身の返済余力を総合的に考慮することが重要とされています。

時期 変動金利の傾向 固定金利の傾向
2000年代後半〜2010年代前半 低水準で推移(1%前後) 2〜3%前後で推移
2010年代後半〜2023年 超低水準(0.5%前後) フラット35で1.5〜2%前後
2024年〜現在 上昇傾向(0.7〜1%超も) 上昇傾向(2%超も見られる)

※上記は概略的な傾向を示したものです。実際の金利は借入条件・金融機関によって異なります。

試算で比較してみる

ここでは、一定の借入条件を設定して金利タイプ別にシミュレーションを行います。

【重要な免責事項】以下のシミュレーション数値はあくまでも参考値であり、実際の返済額・総返済額とは異なります。金利・手数料・保険料・諸費用等の条件は金融機関によって大きく異なるため、借り入れを検討される際は必ず各金融機関の公式サイトまたは担当者にご確認ください。

シミュレーション条件

  • 借入金額:3,000万円
  • 返済期間:35年(420回払い)
  • 返済方式:元利均等返済
  • 諸費用・保証料・団信保険料:含まない

変動が有利になるケース

変動金利を適用年利0.5%(当初)と仮定した場合、月々の返済額は約7万8,000円程度、35年間を通じて金利変動がなかったと仮定した場合の総返済額は約3,276万円程度が計算上の目安となります。ただし、この数値は金利が一切変わらないという仮定のもとのものであり、実際にはほぼ起こりえない前提であることに注意が必要とされています。

変動金利が相対的に有利になるとされる主なケースは次のとおりです。

  • 借り入れ後に金利上昇が小幅にとどまった場合
  • 繰上返済を積極的に行い、早期に残債を大幅に減らせる場合
  • 借入期間が比較的短い(10〜15年程度)場合
  • 収入が安定・増加傾向にあり、返済額増加への対応余力がある場合
  • 金融リテラシーが高く、金利動向を継続的にウォッチして対応できる場合

固定が有利になるケース

全期間固定金利を適用年利1.8%と仮定した場合、月々の返済額は約9万7,000円程度、総返済額は約4,074万円程度となる計算上の目安となります。仮に変動金利が0.5%のまま推移し続けたとすると、この差額は約800万円程度にのぼる計算となりますが、金利変動リスクを35年間にわたって回避できるという点は、金銭では測れない家計の安定をもたらすとされています。

固定金利が相対的に有利になるとされる主なケースは次のとおりです。

  • 今後の利上げ継続により変動金利が大幅に上昇すると想定される局面
  • 教育費・老後資金の積立計画が明確で、返済額を確定させたい場合
  • 収入が固定的・専業主婦(主夫)世帯など、返済額増加への対応が難しい場合
  • 繰上返済の余裕が家計上見込めない場合
  • 金利動向を気にすることが精神的ストレスになりやすい場合

金利上昇パターン別比較

変動金利は当初低くても、将来的に金利が上昇した場合、総返済額が固定金利を上回る「逆転」が生じる可能性があるとされています。以下は変動金利の上昇シナリオ別の概算比較です(すべて参考値)。

シナリオ 変動金利(概算総返済) 固定金利1.8%(参考)
35年間ずっと0.5%(変動なし) 約3,276万円 約4,074万円
10年後に1.5%まで段階上昇 約3,600万円前後 約4,074万円(変わらず)
10年後に2.5%まで段階上昇 約3,900万円前後 約4,074万円(変わらず)
5年後に3.0%以上まで上昇 約4,100万円超の可能性 約4,074万円(変わらず)

※本表はすべて概算・参考値です。実際の返済額は金利上昇のタイミング・返済残高・各金融機関の条件等により大きく異なります。必ず専門家または金融機関にご相談ください。

賢い選び方のポイント

ライフプランで考える

住宅ローンの金利タイプ選択は、単純な金利水準の高低だけでなく、将来のライフプランと照らし合わせることが重要とされています。住宅ローンの返済期間は20〜35年という長期にわたることが多く、その間に家族構成・収入・支出のパターンが大きく変化する可能性があるとされています。特に以下のライフイベントは返済計画に大きな影響を与えるとされています。

  • 子どもの教育費のピーク:高校・大学への進学費用が集中する時期(借り入れから10〜20年後が目安)に返済額が増加すると、家計が圧迫される可能性があるとされています。この時期を見越して固定金利で返済額を固定しておく選択肢も一考に値するとされています。
  • 定年・収入減少のタイミング:退職後に変動金利が上昇している場合、収入が減少した状態で返済額が増加するリスクが生じる可能性があるとされています。定年後も返済が続く場合は固定金利のメリットがより大きくなるとされています。
  • 繰上返済の計画:ボーナスや相続資金などで繰上返済が見込める場合、変動金利で元本を早期に圧縮する戦略が有効なケースがあるとされています。元本が早期に減れば、金利上昇の影響を限定できる可能性があるとされています。
  • 共働きか片働きか:2人の収入で返済する家庭の場合、1人が産休・育休・転職によって一時的に収入が減少するリスクがあるとされています。そのような状況でも返済額が変わらない固定金利は心理的な安心感をもたらすとされています。

リスク許容度で選ぶ

金利タイプの選択において「リスク許容度」という考え方は非常に重要とされています。リスク許容度とは、金利が上昇した際に増加する返済額を家計として受け入れられる余力のことを指すとされています。以下のチェックリストで自身の状況を確認してみてください。

チェック項目 判断の傾向
月収に対する返済額が25%以下である 変動金利を選択しやすい傾向
6ヶ月分以上の生活費が預貯金にある 変動金利を選択しやすい傾向
収入が1つの職場・給与に依存している 固定金利を検討する傾向
金利ニュースが気になり、ストレスを感じやすい 固定金利を検討する傾向
今後5年以内に大きな支出(教育費・車など)が予定されている 固定金利で計画を安定させる傾向
繰上返済の資金を積み立てる余裕がある 変動金利を選択しやすい傾向

返済額の安定を優先

資産運用や投資に精通した方の中には、「変動金利と固定金利の差額分を投資に回してリターンを得る」という考え方をする方もいるとされています。変動金利(例:0.7%)と固定金利(例:1.8%)の差は約1.1%であり、この差分の返済余裕を長期積立投資に充てることで、長期的なトータルリターンを改善できる可能性があるとされています。

ただし、この戦略は住宅ローンの金利上昇リスクと投資リスクを同時に負うことになるため、十分なリスク管理能力と金融知識が前提として必要とされています。一般的には、まず住宅ローンの返済計画を安定させることを優先し、その上で余裕資金を資産形成に回す順序が堅実とされています。住宅ローンの返済が家計の最優先事項であることを忘れず、投資との両立は余力がある段階で慎重に行うことが推奨されるとされています。

知っておくべきリスク

変動金利の主なリスク

変動金利を選択する際には、以下のリスクを十分に理解しておくことが重要とされています。

  • 金利上昇リスク:日本銀行の金融政策の変更や景気の過熱により政策金利が引き上げられると、変動金利も上昇する可能性があるとされています。2024年以降の継続的な利上げ局面は、その具体例とされています。金利が1〜2%上昇した場合、月々の返済額が数万円単位で増加するケースも想定されるとされています。
  • 未払い利息の発生リスク:5年ルールと125%ルールによって返済額が抑えられている期間でも、実際に支払うべき利息分が返済額を上回った場合「未払い利息」が生じる可能性があるとされています。この未払い利息は元本に加算されることがあり、返済終了時に一括請求されるケースもあるとされています。
  • 精神的負担:金利動向を常にウォッチし、上昇が続くと「今後どうなるのか」という不安が生じやすいとされています。これが家庭内の精神的ストレスにつながるケースもあるとされており、数字だけで判断できない要素の一つとされています。
  • 繰上返済の重要性:変動金利リスクを低減するには繰上返済による残高圧縮が有効とされますが、そのためには継続的な資金的余裕が不可欠とされています。緊急出費や収入減少が重なると、繰上返済が難しくなる可能性があるとされています。

固定金利のデメリット

固定金利にも以下のようなデメリットがあるとされています。

  • 金利低下時の不利:借り入れ後に市場金利が大幅に低下した場合でも、固定された金利が適用され続けるため、低金利の恩恵を受けにくい面があるとされています。特に全期間固定型は完済まで金利が変わらないため、市場環境の変化に対応しにくいとされています。
  • 月々の返済負担が高め:変動金利と比べて当初の適用金利が高く設定される傾向があるとされており、同じ借入金額・返済期間であれば月々の返済額が多くなる可能性があるとされています。家計の月次キャッシュフローに余裕が必要とされています。
  • 繰上返済の手数料:金融機関によっては、固定金利期間中の繰上返済に手数料が発生するケースがあるとされています。変動金利型と比べて繰上返済の柔軟性が低い商品もあるとされており、契約前の確認が重要とされています。
  • 固定期間終了後のリスク:固定期間選択型の場合、固定期間が終了した後の金利が大幅に上昇しているケースがあるとされています。固定期間終了後の条件も事前に確認しておくことが推奨されるとされています。

金利タイプの変更方法

住宅ローンの金利タイプは、一定の条件のもとで変更できる場合があるとされています。主な方法として「借換え」と「金利タイプ切替」の2種類が挙げられるとされています。

借換えとは、現在の住宅ローンを一括返済し、別の金融機関または同一金融機関の別商品として新たに借り入れ直す方法です。手続きには登記費用・ローン手数料・保証料などの諸費用が発生するとされており、借換えによるメリット(金利差)がこれらのコストを上回るかどうかを慎重に試算する必要があるとされています。一般的に、残債が1,000万円以上・残返済期間が10年以上・金利差が1%以上ある場合に借換えの効果が出やすいとされています。

金利タイプ切替とは、現在借り入れている金融機関のサービスとして、変動から固定へ、または固定から変動へ切り替える手続きです。借換えと比較して手続きが簡便な場合が多いとされていますが、利用できる金融機関や商品が限られるとされており、切替のタイミングと費用対効果をよく確認することが重要とされています。

いずれの場合も、切替・借換えのタイミングや費用対効果については、住宅ローンアドバイザーやファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談することが推奨されるとされています(出典:日本FP協会)。

まとめ

本記事では、住宅ローンの変動金利と固定金利について、仕組みの違い・現在の金利水準・参考シミュレーション・選び方のポイント・注意すべきリスクを解説しました。最後に要点を整理します。

  • 変動金利は当初の金利水準が低く、短期完済や繰上返済が見込める方に向いているとされています。ただし、金利上昇リスクを常に意識し、備えておく必要があるとされています。
  • 固定金利は返済額が安定し、将来の家計計画を立てやすいとされています。当初の返済額は変動型より高くなる傾向がありますが、安心感という非金銭的メリットも大きいとされています。
  • 2024年以降の日銀利上げ局面により、変動金利の上昇リスクは以前より高まっているとされており、「変動の方が常に得」という過去の常識は見直す必要があるとされています。
  • 最終的な選択は、ライフプラン・収入の安定性・家計のリスク許容度・繰上返済の余力を総合的に考慮した上で行うことが重要とされています。
  • 迷った場合は、住宅ローンアドバイザーやFPなど第三者の専門家に相談することが有効とされています。無料相談窓口を活用することも一つの方法とされています。

【免責事項】本記事で記載している金利水準・返済額シミュレーションはすべて参考値であり、実際の金利・返済額は各金融機関の審査・借入条件・適用時期によって異なります。最新の金利情報は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨・保証・購入の勧誘を目的とするものではありません。住宅ローンのご契約にあたっては、各金融機関の商品説明書・契約書類等を十分にご確認ください。

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執筆者:藤原 まこと

FP資格保持・住宅ローン・不動産専門ライター

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