住宅ローン完済後にやる手続き完全チェックリスト
住宅ローンを完済したら、ただちに抵当権抹消登記と名義変更手続きを開始してください。これらの手続きを怠ると、将来的に不動産の売却や相続がスムーズに進まなくなる可能性があります。特に抵当権抹消は、完済から1ヶ月以内に金融機関から「抵当権抹消承諾書」を受領し、法務局で手続きを完了させるのが鉄則です。この記事では、完済後に必要な手続きをステップバイステップで解説し、手続き漏れやトラブルを防ぐための完全ガイドを提供します。
目次
- 完済通知書と登記簿謄本を取得する
- 抵当権抹消手続きを進める
- 火災保険と団体信用生命保険の解約手続き
- 固定資産税の名義変更と還付金手続き
- 登記簿謄本と登記事項証明書の更新
- 住宅ローン控除の手続きを終了する
- その他の手続きと注意点
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
完済通知書と登記簿謄本を取得する
住宅ローンを完済したら、最初に行うべきは「完済通知書」の受領です。これは、金融機関から発行される正式な完済証明書であり、抵当権抹消手続きに必須の書類です。完済通知書が手元にないと、抵当権抹消の手続きが進められません。多くの金融機関では、完済日から1週間程度で郵送されるため、完済後はすぐに金融機関に連絡を取り、発行手続きを確認しましょう。
完済通知書の受領方法
- 郵送での受領:多くの金融機関では、完済後に自動的に郵送されます。受領が遅れる場合は、金融機関に問い合わせましょう。
- 窓口での受領:一部の金融機関では、完済手続き時に窓口で直接受領できる場合があります。事前に確認しておくとスムーズです。
- オンラインバンキングでの確認:ネット銀行や一部の金融機関では、オンラインバンキング上で完済通知書をダウンロードできる場合があります。利用可能かどうかを事前に確認しましょう。
完済通知書と並行して、登記簿謄本(登記事項証明書)も取得しておきましょう。登記簿謄本は、法務局で取得できる書類で、抵当権が登記されているかどうかを確認するために必要です。登記簿謄本は、以下の方法で取得できます。
登記簿謄本の取得方法
- 法務局での取得:最寄りの法務局に出向き、手数料を支払って取得します。手数料は1通あたり600円(2024年現在)です。
- オンラインでの取得:法務局の「登記・供託オンライン申請システム」を利用して、自宅から取得することも可能です。手数料は郵送手数料を含めると700円程度です。
- 郵送での取得:法務局に郵送で請求書を送り、登記簿謄本を郵送してもらう方法もあります。手数料は600円+郵送料です。
登記簿謄本には、抵当権が登記されている旨が記載されています。完済後は、この抵当権が抹消されることになりますので、抹消手続きが完了した後は、再度登記簿謄本を取得して、抵当権が抹消されていることを確認しましょう。
抵当権抹消手続きを進める
抵当権抹消は、住宅ローン完済後に最も重要な手続きの一つです。抵当権が登記されたままでは、不動産の売却や相続がスムーズに進まないため、完済後1ヶ月以内に手続きを完了させることが推奨されます。抵当権抹消手続きは、以下のステップで進めます。
抵当権抹消の流れ
- 金融機関から抵当権抹消承諾書を受領する
- 司法書士に依頼する(または自分で手続きする)
- 法務局に抹消登記を申請する
- 登記完了後に登記簿謄本で確認する
抵当権抹消承諾書の受領
完済後、金融機関から「抵当権抹消承諾書」が送付されます。この書類は、金融機関が抵当権の抹消に同意したことを証明する書類であり、抹消登記の際に必要です。承諾書が届かない場合は、金融機関に問い合わせましょう。承諾書は、通常、完済日から1〜2週間で郵送されます。
司法書士への依頼
抵当権抹消手続きは、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士に依頼すると、必要書類の準備から法務局への申請まで、一貫して手続きを進めてもらえます。司法書士費用は、目安として5万円〜10万円程度です。ただし、自分で手続きを行うことも可能です。自分で手続きを行う場合は、以下の書類を準備します。
- 完済通知書
- 抵当権抹消承諾書
- 登記簿謄本
- 印鑑証明書
- 身分証明書
- 登記申請書
自分で手続きを行う場合は、法務局の窓口で手続き方法を確認し、必要書類を揃えて申請します。手続きにかかる時間は、通常1〜2週間です。
法務局への申請
司法書士に依頼する場合は、司法書士が法務局に申請を行います。自分で手続きを行う場合は、法務局の窓口に出向き、申請書を提出します。申請書には、以下の情報を記載します。
- 不動産の所在地
- 登記の目的(抵当権抹消)
- 申請人(所有者)の情報
- 添付書類の情報
申請後、法務局で審査が行われ、問題がなければ登記が完了します。登記完了後は、再度登記簿謄本を取得して、抵当権が抹消されていることを確認しましょう。
抵当権抹消にかかる費用
抵当権抹消手続きにかかる費用は、以下の通りです。
| 費用項目 | 金額(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 1,000円 | 不動産1筆あたり1,000円(2024年現在) |
| 司法書士報酬 | 5万円〜10万円 | 依頼する場合 |
| 登記簿謄本取得費用 | 600円〜700円 | 2通取得する場合 |
| 印鑑証明書取得費用 | 300円〜500円 | 1通あたり |
合計で、司法書士に依頼する場合は6万円〜12万円程度、自分で手続きを行う場合は3,000円〜5,000円程度の費用がかかります。
火災保険と団体信用生命保険の解約手続き
住宅ローン完済後は、火災保険と団体信用生命保険(団信)の解約手続きも忘れずに行いましょう。これらの保険は、住宅ローンの契約に付帯されていることが多いため、完済後は不要になります。解約手続きを行わないと、保険料の無駄遣いになってしまいます。
火災保険の解約手続き
火災保険は、住宅ローンの契約に付帯されていることが多く、完済後は解約することができます。解約手続きは、保険会社に連絡を取り、解約申請書を提出します。解約手続きにかかる期間は、通常1〜2週間です。解約後は、保険料の還付を受けることができますので、解約手続きを行う際には、還付金の手続きも同時に行いましょう。
団体信用生命保険(団信)の…
団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンの契約者が死亡した場合に、ローン残高が保険金で支払われる保険です。完済後は、この保険は不要になりますので、解約手続きを行います。解約手続きは、金融機関に連絡を取り、解約申請書を提出します。解約手続きにかかる期間は、通常1〜2週間です。解約後は、保険料の還付を受けることができます。
保険料の還付手続き
火災保険と団信を解約する際には、未経過分の保険料が還付されます。還付金の額は、解約時期によって異なりますが、通常は解約日から1ヶ月以内に振り込まれます。還付金を受け取るためには、解約申請書に銀行口座の情報を記載する必要がありますので、事前に準備しておきましょう。
固定資産税の名義変更と還付金手続き
住宅ローン完済後は、固定資産税の名義変更手続きを行いましょう。固定資産税は、不動産の所有者に課される税金であり、完済後は名義を変更する必要があります。名義変更を行わないと、納税通知書が旧名義のまま送付され、支払いが滞る可能性があります。また、固定資産税の還付金が発生する場合もありますので、手続きを忘れずに行いましょう。
固定資産税の名義変更手続き
固定資産税の名義変更手続きは、市区町村の役所で行います。手続きに必要な書類は、以下の通りです。
- 登記簿謄本(名義変更後のもの)
- 印鑑証明書
- 身分証明書
- 固定資産税納税通知書(あれば)
名義変更手続きは、市区町村の役所の税務課で行います。手続きにかかる期間は、通常1〜2週間です。名義変更後は、新しい名義で納税通知書が送付されるようになります。
固定資産税の還付金手続き
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課税されます。そのため、住宅ローン完済後に名義変更を行った場合、完済前の所有者(金融機関)に課税されることがあります。この場合、完済後に名義変更を行うことで、還付金が発生することがあります。
還付金の額は、市区町村によって異なりますが、通常は数万円〜数十万円程度です。還付金を受け取るためには、名義変更手続きを行う際に、還付金の申請を行う必要があります。申請書は、市区町村の役所で入手できます。
例えば、東京都中央区の場合、固定資産税の還付金は、以下のように計算されます。
還付金額 = (完済前の所有者に課税された固定資産税額) × (完済日から1月1日までの日数 ÷ 365日)
具体的な計算方法は、市区町村によって異なりますので、詳細は市区町村の役所に問い合わせましょう。
登記簿謄本と登記事項証明書の更新
抵当権抹消手続きが完了したら、登記簿謄本と登記事項証明書を更新しましょう。これらの書類は、不動産の所有権や抵当権の有無を証明する重要な書類です。完済後は、抵当権が抹消されていることを確認するために、再度取得することをおすすめします。
登記簿謄本の更新方法
登記簿謄本の更新方法は、以下の通りです。
- 法務局での取得:最寄りの法務局に出向き、手数料を支払って取得します。手数料は1通あたり600円(2024年現在)です。
- オンラインでの取得:法務局の「登記・供託オンライン申請システム」を利用して、自宅から取得することも可能です。手数料は郵送手数料を含めると700円程度です。
- 郵送での取得:法務局に郵送で請求書を送り、登記簿謄本を郵送してもらう方法もあります。手数料は600円+郵送料です。
登記簿謄本を更新したら、抵当権が抹消されていることを確認しましょう。抵当権が抹消されていない場合は、法務局に問い合わせ、再度手続きを行いましょう。
登記事項証明書の更新方法
登記事項証明書も、登記簿謄本と同様に法務局で取得できます。登記事項証明書は、不動産の登記情報をまとめた書類であり、所有権や抵当権の有無を確認するために必要です。登記事項証明書の取得方法は、登記簿謄本と同じです。
住宅ローン控除の手続きを終了する
住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、住宅ローンを借り入れている間、毎年所得税や住民税から一定額が控除される制度です。完済後は、この控除を受けることができなくなりますので、完済年については、最後の控除申告を行いましょう。
住宅ローン控除の終了手続き
住宅ローン控除の終了手続きは、以下の通りです。
- 完済年の確定申告を行う
- 控除額の計算を行う
- 還付金の受領
完済年の確定申告
住宅ローン控除を受けるためには、毎年確定申告を行う必要があります。完済年の場合も、例外ではありません。完済年の確定申告は、以下の書類を添付して行います。
- 確定申告書
- 源泉徴収票
- 住宅ローンの年末残高証明書
- 登記簿謄本(抵当権抹消後のもの)
- 住宅取得等特別控除額の計算明細書
完済年の確定申告は、通常の確定申告と同様に行います。申告期限は、完済年の翌年2月15日までです。
控除額の計算
住宅ローン控除額は、以下の計算式で求められます。
控除額 = 住宅ローン年末残高 × 控除率(1%)
控除率は、1%が基本ですが、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合は、1.2%になります。控除額には上限があり、一般住宅の場合は40万円、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合は50万円です。
例えば、住宅ローンの年末残高が3,000万円の場合、控除額は以下の通りです。
控除額 = 3,000万円 × 1% = 30万円
この場合、控除額は30万円となり、所得税や住民税から控除されます。控除額が所得税額よりも大きい場合は、差額が還付されます。
還付金の受領
完済年の確定申告を行うと、控除額に応じた還付金が振り込まれます。還付金の振込は、通常3月〜5月頃に行われます。還付金の額は、確定申告書に記載された銀行口座に振り込まれますので、事前に口座情報を確認しておきましょう。
その他の手続きと注意点
住宅ローン完済後は、上記の手続きの他にも、以下の手続きや注意点があります。これらの手続きを怠ると、将来的にトラブルの原因になることがありますので、注意しましょう。
名義預金の解約
住宅ローンを借り入れる際に、名義預金(家族名義の預金)を担保にしていた場合は、完済後に名義預金を解約する手続きを行いましょう。名義預金を解約せずに放置すると、贈与税の対象になる可能性があります。名義預金の解約手続きは、預金先の金融機関に連絡を取り、解約申請を行います。
住宅ローンの保証会社への連絡
住宅ローンを借り入れる際に、保証会社を利用していた場合は、完済後に保証会社に連絡を取り、保証契約を解除する手続きを行いましょう。保証契約を解除せずに放置すると、保証料の無駄遣いになってしまいます。保証契約の解除手続きは、保証会社に連絡を取り、解約申請を行います。
住宅ローンの印紙税の還付
住宅ローンを借り入れる際に、印紙税を支払った場合は、完済後に印紙税の還付を受けることができます。印紙税の還付を受けるためには、以下の書類を金融機関に提出します。
- 印紙税還付請求書
- 住宅ローン契約書のコピー
- 完済通知書
- 銀行口座情報
印紙税の還付額は、契約書に貼付した印紙の金額によって異なります。例えば、100万円以上500万円未満の契約の場合は2,000円の印紙税が課税されますので、完済後は2,000円の還付を受けることができます。
住宅ローンの金利優遇の見直し
住宅ローンを完済すると、金利優遇の見直しを行うことができます。例えば、変動金利で借り入れていた場合は、完済後に固定金利に切り替えることで、将来的な金利上昇リスクを回避することができます。金利優遇の見直しは、金融機関に相談し、最適なプランを選択しましょう。
注意点
- 手続きの期限を守る:抵当権抹消手続きは、完済後1ヶ月以内に行うことが推奨されます。期限を過ぎると、追加費用が発生する可能性があります。
- 書類の保管:完済通知書や抵当権抹消承諾書、登記簿謄本などの重要書類は、大切に保管しましょう。将来的に不動産を売却する際や相続が発生した際に必要になります。
- 専門家に相談する:手続きに不安がある場合は、司法書士や税理士などの専門家に相談しましょう。専門家に依頼することで、手続きをスムーズに進めることができます。
よくある質問(FAQ)
Q1: 住宅ローン完済後に…
A1: 抵当権抹消を怠ると、不動産の売却や相続がスムーズに進まなくなる可能性があります。例えば、不動産を売却する際に買主から抵当権が抹消されていないことを指摘され、売却が遅れることがあります。また、相続が発生した際に、相続人が抵当権抹消手続きを行う必要があり、手続きが複雑化することがあります。
Q2: 抵当権抹消手続きは…
A2: 自分で抵当権抹消手続きを行うことは可能です。必要書類を揃えて法務局に申請するだけです。ただし、手続きに不慣れな場合は、司法書士に依頼することをおすすめします。司法書士に依頼すると、手続きがスムーズに進み、トラブルを防ぐことができます。
Q3: 固定資産税の還付金…
A3: 固定資産税の還付金は、名義変更手続き完了後1〜2ヶ月以内に振り込まれます。還付金の額は、市区町村によって異なりますが、通常は数万円〜数十万円程度です。具体的な振込時期は、市区町村の役所に問い合わせましょう。
Q4: 住宅ローン控除の手…
A4: 住宅ローン控除の手続きを忘れてしまった場合は、完済年の翌年2月15日までに確定申告を行いましょう。確定申告を行うことで、控除を受けることができます。ただし、期限を過ぎると控除を受けることができなくなるため、注意しましょう。
Q5: 住宅ローン完済後に…
A5: 住宅ローン完済後に火災保険を解約しても、新たに火災保険に加入する必要はありません。ただし、不動産を所有している限り、火災保険に加入することが推奨されます。火災保険に加入していないと、万が一の火災が発生した際に、経済的な損失を被る可能性があります。
Q6: 住宅ローン完済後に…
A6: 団体信用生命保険(団信)を解約すると、未経過分の保険料が還付されます。還付金の額は、解約時期によって異なりますが、通常は解約日から1ヶ月以内に振り込まれます。還付金を受け取るためには、解約申請書に銀行口座の情報を記載する必要があります。
Q7: 住宅ローン完済後に…
A7: 印紙税の還付を受けるためには、以下の書類を金融機関に提出します。
- 印紙税還付請求書
- 住宅ローン契約書のコピー
- 完済通知書
- 銀行口座情報
これらの書類を提出すると、印紙税の還付を受けることができます。還付額は、契約書に貼付した印紙の金額によって異なります。
Q8: 住宅ローン完済後に…
A8: 固定資産税の名義変更を行わないと、納税通知書が旧名義のまま送付され、支払いが滞る可能性があります。また、名義変更を行わないと、将来的に不動産を売却する際や相続が発生した際に、手続きが複雑化することがあります。
Q9: 住宅ローン完済後に…
A9: 保証会社との契約を解除しないと、保証料の無駄遣いになってしまいます。保証会社との契約は、住宅ローンの借り入れ時に保証料を支払うことで成立します。完済後は、保証契約を解除する手続きを行いましょう。
Q10: 住宅ローン完済後…
A10: 金利優遇の見直しを行うメリットは、将来的な金利上昇リスクを回避することができる点です。例えば、変動金利で借り入れていた場合は、完済後に固定金利に切り替えることで、金利上昇による返済額の増加を防ぐことができます。金利優遇の見直しは、金融機関に相談し、最適なプランを選択しましょう。
まとめ
住宅ローン完済後は、抵当権抹消をはじめとするさまざまな手続きが必要です。これらの手続きを怠ると、将来的に不動産の売却や相続がスムーズに進まなくなる可能性があります。以下に、住宅ローン完済後に行うべき手続きをまとめました。
- 完済通知書と登記簿謄本を取得する:完済後すぐに金融機関から完済通知書を受領し、登記簿謄本を取得しましょう。
- 抵当権抹消手続きを進める:完済後1ヶ月以内に抵当権抹消手続きを完了させましょう。司法書士に依頼するか、自分で手続きを行います。
- 火災保険と団体信用生命保険の解約手続き:完済後は不要になる保険を解約し、還付金を受領しましょう。
- 固定資産税の名義変更と還付金手続き:市区町村の役所で名義変更手続きを行い、還付金を受領しましょう。
- 登記簿謄本と登記事項証明書の更新:抵当権抹消後の登記簿謄本を取得し、所有権や抵当権の有無を確認しましょう。
- 住宅ローン控除の手続きを終了する:完済年の確定申告を行い、控除を受けましょう。
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