住宅ローン保証料型と手数料型の違いと選び方
住宅ローンを選ぶ際に「保証料型」と「手数料型」のどちらを選ぶかで、総返済額が数十万円から数百万円も変わる可能性があります。特に借入額が3,000万円を超える場合、その差は顕著です。保証料型は金利に上乗せされるため長期的に見ると割高になるケースが多い一方で、手数料型は一括で支払うため初期負担は大きくなりますが、総返済額を抑えられるメリットがあります。この記事では、両者の仕組みやメリット・デメリット、具体的なシミュレーションを交えながら、あなたに最適な選択肢を提案します。
目次
- 保証料型と手数料型の基本的な違い
- 保証料型のメリット・デメリットと向いている人
- 手数料型のメリット・デメリットと向いている人
- 総返済額をシミュレーションで比較
- 金融機関ごとの対応状況と選び方のポイント
- よくある質問と回答
- まとめ:あなたに最適な住宅ローンの選び方
保証料型と手数料型の基本的な違い
住宅ローンの保証料と手数料は、いずれも金融機関が融資を実行する際に必要となる費用ですが、支払い方法と総返済額への影響が大きく異なります。まずは両者の基本的な仕組みを理解しましょう。
保証料型の仕組み
保証料型は、住宅ローンの借入時に「保証会社」に対して保証料を支払うタイプです。この保証料は、ローンの借入額に応じて算出され、金利に上乗せされる形で毎月の返済額に含まれます。具体的には、以下のような特徴があります。
- 支払い方法:金利に上乗せされる(内枠方式)
- 保証会社:多くの場合、金融機関が提携する保証会社(例:アルヒ、SBI保証など)が利用される
- 保証料の算出方法:借入額×保証料率(例:2.0%〜2.5%程度)
- 総返済額への影響:金利が高くなるため、長期的に見ると割高になるケースが多い
保証料型の場合、保証料は一括で支払うのではなく、ローンの返済期間にわたって分割して支払うことになります。そのため、初期費用を抑えられるメリットがありますが、総返済額が増加するデメリットもあります。
手数料型の仕組み
手数料型は、住宅ローンの借入時に「事務手数料」として一括で支払うタイプです。この手数料は、金融機関に直接支払う費用であり、保証会社を通す必要がありません。具体的な特徴は以下の通りです。
- 支払い方法:一括で支払う(外枠方式)
- 手数料の算出方法:借入額×手数料率(例:1.0%〜2.0%程度)または固定額(例:3万円〜5万円)
- 総返済額への影響:金利は保証料型よりも低くなるため、総返済額を抑えられるケースが多い
- 初期費用:借入時に一括で支払うため、初期負担が大きくなる
手数料型の場合、保証会社を通さないため、保証料型よりも金利が低く設定される傾向があります。そのため、総返済額を抑えたい方には有利な選択肢となります。
保証料型と手数料型の比較表
| 項目 | 保証料型 | 手数料型 |
|---|---|---|
| 支払い方法 | 金利に上乗せ(内枠方式) | 一括で支払う(外枠方式) |
| 保証会社 | 必要(金融機関提携の保証会社) | 不要 |
| 金利への影響 | 金利が高くなる | 金利が低くなる |
| 初期費用 | 低い(金利上乗せで分割) | 高い(一括払い) |
| 総返済額 | 割高になるケースが多い | 抑えられるケースが多い |
| 向いている人 | 初期費用を抑えたい人 | 総返済額を抑えたい人 |
保証料型のメリット・デメリットと向いている人
保証料型の住宅ローンは、初期費用を抑えられる一方で、総返済額が増加するという特徴があります。ここでは、保証料型のメリットとデメリット、そしてどのような人に向いているのかを詳しく解説します。
保証料型のメリット
- 初期費用を抑えられる
保証料型は、保証料を金利に上乗せして分割で支払うため、借入時に一括で支払う手数料型と比較して、初期費用を抑えることができます。例えば、借入額3,000万円の場合、手数料型では30万円〜60万円の手数料を一括で支払う必要がありますが、保証料型ではその費用を金利に上乗せして毎月の返済額に含めるため、手元の資金を温存できます。
- 手続きが簡単
保証料型は、金融機関が提携する保証会社を通じて保証を受けるため、手続きが簡単です。手数料型のように、自分で保証会社を選ぶ必要がありません。また、保証会社がローンの返済を保証するため、万が一の際のリスクも軽減されます。
- 金融機関によっては金利優遇がある
一部の金融機関では、保証料型を選択することで金利優遇を受けられる場合があります。例えば、ネット銀行などでは、保証料型を選択することで、手数料型よりも低い金利を提示されることがあります。ただし、これは金融機関によって異なるため、事前に確認が必要です。
保証料型のデメリット
- 総返済額が増加する
保証料型は、保証料を金利に上乗せして支払うため、総返済額が増加します。例えば、借入額3,000万円、金利1.5%、返済期間35年の場合、保証料率を2.0%とすると、保証料は60万円となります。この60万円は金利に上乗せされるため、総返済額は数十万円から数百万円増加する可能性があります。
具体的なシミュレーション例:
項目 保証料型 手数料型 借入額 3,000万円 3,000万円 金利 1.7%(保証料上乗せ込み) 1.5% 返済期間 35年 35年 毎月の返済額 約98,000円 約93,000円 総返済額 約4,116万円 約3,906万円 差額 約210万円 – (出典:各金融機関の公式シミュレーションを基に作成。実際の金利や返済額は異なる場合があります。シミュレーションは参考値であり、実際の返済額とは異なる旨ご了承ください。)
- 金利が高くなる
保証料型は、保証料を金利に上乗せするため、実質的な金利が高くなります。そのため、手数料型と比較して、総返済額が増加する傾向があります。特に、長期の返済期間を設定する場合、その差は顕著になります。
- 保証会社の審査が必要
保証料型を選択する場合、保証会社の審査を受ける必要があります。審査に通らない場合、保証料型を選択することができません。そのため、審査に不安がある方は、事前に保証会社の審査基準を確認しておくことが重要です。
保証料型が向いている人
保証料型は、以下のような人に向いています。
- 初期費用を抑えたい人
借入時に一括で支払う手数料型と比較して、初期費用を抑えることができます。そのため、頭金を多く用意できない方や、他の費用(登記費用、引越し費用など)に資金を充てたい方に向いています。
- 手続きを簡単に済ませたい人
保証会社が手続きを代行してくれるため、自分で保証会社を選ぶ手間が省けます。また、保証会社がローンの返済を保証するため、万が一の際のリスクも軽減されます。
- 金融機関によっては金利優遇を受けたい人
一部の金融機関では、保証料型を選択することで金利優遇を受けられる場合があります。そのため、金利を少しでも抑えたい方は、保証料型を選択することでメリットを享受できる可能性があります。
手数料型のメリット・デメリットと向いている人
手数料型の住宅ローンは、総返済額を抑えられる一方で、初期費用が高くなるという特徴があります。ここでは、手数料型のメリットとデメリット、そしてどのような人に向いているのかを詳しく解説します。
手数料型のメリット
- 総返済額を抑えられる
手数料型は、保証料を一括で支払うため、金利が低く設定される傾向があります。そのため、総返済額を抑えることができます。特に、借入額が大きい場合や、返済期間が長い場合、その差は顕著になります。
具体的なシミュレーション例:
項目 保証料型 手数料型 借入額 5,000万円 5,000万円 金利 1.8%(保証料上乗せ込み) 1.5% 返済期間 35年 35年 毎月の返済額 約163,000円 約152,000円 総返済額 約6,846万円 約6,384万円 差額 約462万円 – (出典:各金融機関の公式シミュレーションを基に作成。実際の金利や返済額は異なる場合があります。シミュレーションは参考値であり、実際の返済額とは畒なる旨ご了承ください。)
- 金利が低く設定される
手数料型は、保証会社を通さないため、金利が低く設定される傾向があります。そのため、総返済額を抑えることができます。特に、長期の返済期間を設定する場合、そのメリットは大きくなります。
- 保証会社の審査が不要
手数料型は、保証会社を通さないため、保証会社の審査が不要です。そのため、審査に不安がある方でも安心して利用することができます。
手数料型のデメリット
- 初期費用が高くなる
手数料型は、保証料を一括で支払うため、初期費用が高くなります。例えば、借入額3,000万円の場合、手数料率を1.5%とすると、手数料は45万円となります。この45万円を一括で支払うため、手元の資金が不足する可能性があります。
- 資金計画が立てにくい
手数料型は、初期費用が高くなるため、資金計画が立てにくくなる場合があります。特に、頭金を多く用意できない方や、他の費用に資金を充てたい方にとっては、負担が大きくなる可能性があります。
- 金融機関によっては手数料が高い
手数料型は、金融機関によって手数料率が異なります。例えば、都市銀行では手数料率が2.0%〜3.0%程度と高く設定されている場合があります。そのため、手数料型を選択する際には、複数の金融機関で手数料率を比較することが重要です。
手数料型が向いている人
手数料型は、以下のような人に向いています。
- 総返済額を抑えたい人
手数料型は、金利が低く設定されるため、総返済額を抑えることができます。そのため、長期の返済期間を設定する方や、借入額が大きい方に向いています。
- 保証会社の審査に不安がある人
手数料型は、保証会社の審査が不要なため、審査に不安がある方でも安心して利用することができます。
- 資金に余裕がある人
手数料型は、初期費用が高くなるため、資金に余裕がある方に向いています。例えば、頭金を多く用意できる方や、他の費用に資金を充てることができる方にとっては、メリットが大きくなります。
総返済額をシミュレーションで比較
住宅ローンの保証料型と手数料型の違いを理解するためには、具体的なシミュレーションが欠かせません。ここでは、借入額や返済期間、金利などの条件を変えながら、両者の総返済額を比較します。シミュレーションは、あくまで参考値であり、実際の返済額とは異なる場合があるため、ご注意ください。
シミュレーション条件
以下の条件でシミュレーションを行います。
- 借入額:3,000万円、5,000万円、7,000万円
- 返済期間:35年
- 金利:保証料型(1.7%〜1.8%)、手数料型(1.5%〜1.6%)
- 保証料率:2.0%(保証料型)
- 手数料率:1.5%(手数料型)
シミュレーション結果
以下の表は、借入額と金利の違いによる総返済額の比較です。
| 借入額 | 保証料型(金利1.7%) | 手数料型(金利1.5%) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 約4,116万円 | 約3,906万円 | 約210万円 |
| 5,000万円 | 約6,846万円 | 約6,384万円 | 約462万円 |
| 7,000万円 | 約9,584万円 | 約8,938万円 | 約646万円 |
(出典:各金融機関の公式シミュレーションを基に作成。実際の金利や返済額は異なる場合があります。シミュレーションは参考値であり、実際の返済額とは異なる旨ご了承ください。)
このシミュレーションからわかるように、借入額が大きくなるほど、保証料型と手数料型の総返済額の差は広がります。例えば、借入額7,000万円の場合、保証料型と手数料型の差額は約646万円にもなります。そのため、借入額が大きい方ほど、手数料型を選択するメリットが大きくなります。
返済期間による違い
返済期間によっても、総返済額の差は変わってきます。以下の表は、借入額3,000万円、金利1.7%(保証料型)と1.5%(手数料型)の場合の、返済期間別の総返済額です。
| 返済期間 | 保証料型(金利1.7%) | 手数料型(金利1.5%) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 20年 | 約3,576万円 | 約3,420万円 | 約156万円 |
| 25年 | 約3,852万円 | 約3,672万円 | 約180万円 |
| 30年 | 約4,080万円 | 約3,870万円 | 約210万円 |
| 35年 | 約4,116万円 | 約3,906万円 | 約210万円 |
(出典:各金融機関の公式シミュレーションを基に作成。実際の金利や返済額は異なる場合があります。シミュレーションは参考値であり、実際の返済額とは畒なる旨ご了承ください。)
このシミュレーションからわかるように、返済期間が長くなるほど、総返済額の差は広がります。そのため、長期の返済期間を設定する方ほど、手数料型を選択するメリットが大きくなります。
金利変動による影響
金利が変動すると、総返済額にも大きな影響を与えます。以下の表は、借入額3,000万円、返済期間35年の場合の、金利変動による総返済額の違いです。
| 金利 | 保証料型 | 手数料型 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 1.0% | 約3,642万円 | 約3,420万円 | 約222万円 |
| 1.5% | 約4,116万円 | 約3,906万円 | 約210万円 |
| 2.0% | 約4,632万円 | 約4,428万円 | 約204万円 |
(出典:各金融機関の公式シミュレーションを基に作成。実際の金利や返済額は異なる場合があります。シミュレーションは参考値であり、実際の返済額とは畒なる旨ご了承ください。)
このシミュレーションからわかるように、金利が低いほど総返済額の差は広がります。そのため、金利が低い環境下では、手数料型を選択するメリットが大きくなります。
金融機関ごとの対応状況と選び方のポイント
住宅ローンの保証料型と手数料型は、金融機関によって対応状況が異なります。また、同じ金融機関でも、商品によって選択肢が異なる場合があります。ここでは、主要な金融機関の対応状況と、選び方のポイントを解説します。
主要金融機関の対応状況
以下の表は、主要な金融機関における保証料型と手数料型の対応状況です。
| 金融機関名 | 保証料型 | 手数料型 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | ○ | ○ | 手数料型は「事務手数料型」として提供 |
| 三井住友銀行 | ○ | ○ | 手数料型は「保証料不要型」として提供 | りそな銀行 | ○ | ○ | 手数料型は「保証料不要型」として提供 |
| みずほ銀行 | ○ | × | 手数料型は提供していない |
| 住信SBIネット銀行 | × | ○ | 保証料型は提供していない |
| 楽天銀行 | × | ○ | 保証料型は提供していない |
| auじぶん銀行 | × | ○ | 保証料型は提供していない |
| ソニー銀行 | × | ○ | 保証料型は提供していない |
(出典:各金融機関の公式ウェブサイトを基に作成。2024年6月現在の情報であり、今後変更される可能性があります。最新の情報は各金融機関の公式ウェブサイトでご確認ください。)
選び方のポイント
保証料型と手数料型を選ぶ際には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
- 金融機関の対応状況を確認する
まずは、あなたが検討している金融機関で、保証料型と手数料型のどちらが提供されているかを確認しましょう。例えば、みずほ銀行では手数料型が提供されていないため、手数料型を選択したい方は他の金融機関を検討する必要があります。
- 総返済額をシミュレーションする
保証料型と手数料型の総返済額をシミュレーションし、どちらがお得かを比較しましょう。シミュレーションは、各金融機関の公式ウェブサイトや、住宅ローンシミュレーションサイトを利用して行うことができます。ただし、シミュレーションはあくまで参考値であり、実際の返済額とは異なる場合があるため、ご注意ください。
- 初期費用と資金計画を立てる
手数料型を選択する場合、初期費用が高くなるため、資金計画を立てることが重要です。例えば、頭金を多く用意できる方や、他の費用に資金を充てることができる方は、手数料型を選択するメリットが大きくなります。一方で、初期費用を抑えたい方は、保証料型を選択する方が良いでしょう。
- 金利優遇や手数料割引を活用する
一部の金融機関では、保証料型や手数料型を選択することで、金利優遇や手数料割引を受けられる場合があります。例えば、ネット銀行では、手数料型を選択することで、金利優遇を受けられる場合があります。そのため、金利優遇や手数料割引を活用したい方は、複数の金融機関で比較検討することが重要です。
- 保証会社の審査基準を確認する
保証料型を選択する場合、保証会社の審査を受ける必要があります。そのため、審査に不安がある方は、事前に保証会社の審査基準を確認しておくことが重要です。例えば、アルヒやSBI保証などの保証会社では、審査基準が公開されているため、事前に確認しておくと良いでしょう。
おすすめの金融機関
保証料型と手数料型のどちらを選択するかによって、おすすめの金融機関は異なります。以下に、それぞれのタイプに適した金融機関を紹介します。
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